アメリカ・東部の町フィラデルフィ12日に起こった列車脱線事故は、発生から2日経ち事故状況の詳細が徐々にわかってきた。
地元メディアによると、乗客240人の内、これまでに少なくとも6人が死亡、8人が重体となっている。
事故現場の航空写真・・・赤い点線が列車のレール、青い線が脱線した列車を示している
今回、アメリカで起こった脱線事故はワシントンからニューヨークに向かう途中のフィラデルフィアで起こった。ワシントン-ニューヨーク間は、いわばアメリカ交通の大動脈で、日本で言えば大阪と東京を結ぶ新幹線が静岡で脱線事故を起こしたようなものである。ワシントン-ボストン間に至っては1日に2,000本もの列車が運行していた。それだけ生活に密着したインフラでの大事故だっただけにアメリカ全土に与える衝撃は並大抵のものではなかった。そのため、アメリカ国内だけでなくアジア・ヨーロッパなど各国で大々的に報道されている。
現在のところ、復旧の見通しは経っておらず、アメリカ経済に与える影響も懸念されている。
現場で復旧作業を続ける作業員達
レールから大きく脱線したの旅客列車。中には大破してしまっている列車もあり、事故時の衝撃の大きさを物語っている。
8両~10両のほとんどの車両が傾き、大きな損傷を受けている。クレーンやブルドーザーが現場の復旧作業に追われている。
事故直後、警官に付き添われ、車両から脱出する乗客。外傷だけでなく、精神的にショックを受けた乗客も多く、今後の精神ケアも重要な課題だ。
実は、その列車にたまたま乗り合わせた記者が次のように証言している。
「(事故現場のカーブに列車が差し掛かった時)急ブレーキをかけるような音がした。」
この列車の運行を手掛けていた会社・全米鉄道旅客公社(アムトラック)の社内規定で、現場のカーブが急なので制限速度は、80kmにすると定められていた。にもかかわらず、事故当時、速度約170kmでカーブに突っ込んでいったことがその後の調査でわかっている。大幅な速度超過が凄惨な事故を引き起こしてしまった。
運転士がブレーキをかけたのは、カーブに差し掛かる直前・わずか数秒前だったという。
今年に入って、全米鉄旅客公社(アムトラック)の事故回数が増えてきている。速度超過や操作ミスなどの人的要因もあるが、専門家の間では鉄道レールや安全装置の老朽化も指摘されている。
設備が古くなければ、今回のような大きな事故にならなかったのではないかという専門家もいる。日本の交通インフラも建設から数十年以上が経っており、老朽化を懸念する声が高まっている。
リニア新幹線など時速400km超の未来の乗り物に注目が集まっているが、現在利用している交通インフラにも、しっかり目を配る必要がある。
地元メディアによると、乗客240人の内、これまでに少なくとも6人が死亡、8人が重体となっている。
なぜここまで大きな報道になったのか
事故現場の航空写真・・・赤い点線が列車のレール、青い線が脱線した列車を示している
今回、アメリカで起こった脱線事故はワシントンからニューヨークに向かう途中のフィラデルフィアで起こった。ワシントン-ニューヨーク間は、いわばアメリカ交通の大動脈で、日本で言えば大阪と東京を結ぶ新幹線が静岡で脱線事故を起こしたようなものである。ワシントン-ボストン間に至っては1日に2,000本もの列車が運行していた。それだけ生活に密着したインフラでの大事故だっただけにアメリカ全土に与える衝撃は並大抵のものではなかった。そのため、アメリカ国内だけでなくアジア・ヨーロッパなど各国で大々的に報道されている。
現在のところ、復旧の見通しは経っておらず、アメリカ経済に与える影響も懸念されている。
現場で復旧作業を続ける作業員達
フィラデルフィア列車脱線事故の現場の様子
レールから大きく脱線したの旅客列車。中には大破してしまっている列車もあり、事故時の衝撃の大きさを物語っている。
8両~10両のほとんどの車両が傾き、大きな損傷を受けている。クレーンやブルドーザーが現場の復旧作業に追われている。
事故直後、警官に付き添われ、車両から脱出する乗客。外傷だけでなく、精神的にショックを受けた乗客も多く、今後の精神ケアも重要な課題だ。
フィラデルフィア列車脱線事故の原因は大幅な速度超過
実は、その列車にたまたま乗り合わせた記者が次のように証言している。
「(事故現場のカーブに列車が差し掛かった時)急ブレーキをかけるような音がした。」
この列車の運行を手掛けていた会社・全米鉄道旅客公社(アムトラック)の社内規定で、現場のカーブが急なので制限速度は、80kmにすると定められていた。にもかかわらず、事故当時、速度約170kmでカーブに突っ込んでいったことがその後の調査でわかっている。大幅な速度超過が凄惨な事故を引き起こしてしまった。
運転士がブレーキをかけたのは、カーブに差し掛かる直前・わずか数秒前だったという。
他人ごとではない、日本でも起こりうる列車脱線事故
今年に入って、全米鉄旅客公社(アムトラック)の事故回数が増えてきている。速度超過や操作ミスなどの人的要因もあるが、専門家の間では鉄道レールや安全装置の老朽化も指摘されている。
設備が古くなければ、今回のような大きな事故にならなかったのではないかという専門家もいる。日本の交通インフラも建設から数十年以上が経っており、老朽化を懸念する声が高まっている。
リニア新幹線など時速400km超の未来の乗り物に注目が集まっているが、現在利用している交通インフラにも、しっかり目を配る必要がある。
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